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配送会社は、なぜ「欠員対応力」で差がつくのか。止まらない物流をつくる組織力
お知らせ
配送会社は、なぜ「欠員対応力」で差がつくのか。止まらない物流をつくる組織力
配送会社の実力は、何も問題が起きていない日にだけ見えるものではありません。
ドライバーが予定どおり出勤する。車両も正常に動く。荷物量も想定どおりで、道路にも大きなトラブルがない。
そんな日は、配送が予定どおり動いて当然に見えるかもしれません。
しかし物流の現場では、毎日必ず予定どおりに進むとは限りません。
急な体調不良。
車両故障。
事故。
家庭の事情。
道路状況。
想定以上の物量。
繁忙期の増車。
そして、突然の欠員。
問題は、
「欠員が発生するかどうか」
ではありません。
「欠員が発生したとき、それでも配送を止めずに動かせるか。」
そこに、配送会社の本当の組織力が表れると私たちは考えています。
今回は、大阪市港区を拠点に、大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県で軽貨物配送・企業配送・物流アウトソーシングを展開する株式会社ひとつホールディングスが、配送会社に必要な「欠員対応力」と、止まらない物流体制のつくり方についてお話しします。
「欠員を出さない会社」を目指すだけでは足りない
もちろん、欠員を減らす努力は必要です。
採用を強化する。ドライバーとのコミュニケーションを取る。働きやすい環境をつくる。事前に稼働予定を確認する。車両を適切にメンテナンスする。
こうした取り組みによって、トラブルが発生する可能性を下げることはできます。
しかし、
ゼロにはできません。
人が働く以上、突然の体調不良は起こります。車両を使う以上、故障する可能性もあります。どれだけ計画していても、予測できない問題は発生します。
だから私たちは、
「穴が開かない会社」ではなく、「穴が開いても止まらない会社」をつくる。
という考え方が重要だと思っています。
1人の欠員が、取引先全体へ影響することもある
例えば、毎日10台で動いている企業配送があったとします。
そのうち1人が当日の朝に稼働できなくなった。
数字だけを見れば、
10人のうち1人。
たった10%です。
しかし物流では、その1台にも担当する荷物があります。
その車両が動かなければ、荷物が残る。納品時間に間に合わない。配送先へ影響する。取引先の担当者が対応に追われる。
さらに、その先のお客様や店舗、企業活動へ影響が広がる可能性もあります。
物流では「1人足りない」が、「1人分の問題」だけで終わらないことがあります。
だからこそ、配送会社には欠員を単なる人員問題としてではなく、物流を継続するための経営課題として考える必要があります。
配送会社の商品は「ドライバー1人」ではない
配送を依頼する企業が本当に欲しいものは、ドライバーそのものなのでしょうか。
もちろん、配送を実行するためにはドライバーが必要です。
しかし企業が本当に必要としているのは、
「毎日、決められた配送が正常に動くこと。」
ではないでしょうか。
担当ドライバーが誰なのかということ以上に、荷物が予定どおり届くこと。配送が止まらないこと。問題が起きたときに対応してもらえること。
それが企業物流では重要です。
私たちの商品は「ドライバー」ではなく、「配送が成立している状態」です。
この視点を持つと、欠員対応がなぜ重要なのかが見えてきます。
「担当者が休んだので今日は配送できません」では済まない
一般的な仕事であれば、担当者が休んだときに業務を翌日へ回せる場合があります。
しかし物流では、
今日届ける荷物は、今日届けなければならない
という仕事が多くあります。
店舗で使う商品。
企業で必要な部品。
医療現場で使われるもの。
その日に必要な資材。
翌日に回すことが難しい配送もあります。
そのため、
「担当ドライバーが休みました。」
だけでは終われません。
欠員が出た瞬間から、「誰が代わりに配送するのか」を考える必要があります。
ここが、配送という仕事の難しさでもあります。
欠員対応は「代わりの人を探す」だけではない
欠員が発生すると、
「誰か空いているドライバーはいないか?」
と探すことになります。
しかし、本当の欠員対応はそれだけではありません。
その現場へ行けるのか。
車両はあるのか。
業務内容を理解しているのか。
配送ルートは分かるのか。
現場特有のルールは何か。
何時までに到着する必要があるのか。
取引先へどのように報告するのか。
必要であれば、他の現場から人員を動かすのか。
欠員対応とは「人探し」ではなく、「配送体制を再構築すること」です。
だからこそ、ドライバーの人数だけではなく、管理・配車・教育・情報共有まで含めた組織力が必要になります。
100人いる会社でも、100人を動かせるとは限らない
配送会社の規模を見るとき、
「ドライバーが何人いるか。」
という数字は分かりやすい指標です。
しかし、人数が多いだけで欠員対応が強いとは限りません。
誰がどの現場にいるのか分からない。
誰がどの業務を経験しているのか分からない。
空き状況が分からない。
現場情報が共有されていない。
管理者が判断できない。
これでは、100人いても急な欠員に対応できない可能性があります。
重要なのは「何人いるか」ではなく、「必要なときに何人を動かせるか」。
これは、ひとつホールディングスが配送組織をつくるうえで大切にしている考え方の一つです。
欠員対応力をつくる5つの要素
欠員対応を属人的な「頑張り」だけに頼ると、会社が大きくなるほど限界がきます。
だからこそ、仕組みとして対応力を持つ必要があります。
私たちは、大きく分けると次のような要素が重要だと考えています。
1.ドライバーの母数
まず、一定の人員が必要です。
一つの現場しか動かしていない会社と、複数の配送案件・複数エリアでドライバーが稼働している会社では、人員配置の選択肢が変わります。
ただし、人数だけ増やせばいいわけではありません。
2.管理者
誰かが状況を把握し、判断しなければなりません。
どこに欠員が出たのか。誰を動かせるのか。どの案件を優先するのか。取引先へ何を伝えるのか。
ドライバーを増やすだけではなく、「ドライバーを動かせる管理者」を増やす。
これが組織拡大には必要です。
3.現場情報
代走する人が見つかっても、何も分からなければすぐに配送できません。
集合場所。
開始時間。
担当エリア。
積み込み方法。
配送ルート。
納品方法。
注意事項。
担当者。
必要な報告。
こうした情報が整理されていれば、引き継ぎのスピードを上げることができます。
情報が人の頭の中にしかない現場は、欠員に弱い。
会社として情報を持つことが重要です。
4.協力会社ネットワーク
自社だけですべての人員を抱えることが、必ずしも最適とは限りません。
物流では、繁忙期と閑散期があります。地域によって必要な台数も変わります。
そこで重要になるのが、信頼できる協力会社とのネットワークです。
自社ドライバー。
業務委託ドライバー。
協力会社。
それぞれの力を組み合わせることで、一社だけでは対応できない配送能力をつくることができます。
自社だけの人数ではなく、「ネットワーク全体で何台を動かせるか」。
これも、配送キャパシティの一部です。
5.判断のスピード
欠員が発生したとき、最も失ってはいけないものの一つが時間です。
「どうしよう。」
と考えている間にも、配送開始時間は近づいてきます。
だからこそ、
欠員を把握する。
管理者へ共有する。
代替候補を確認する。
配置を決める。
必要な引き継ぎをする。
取引先へ報告する。
という流れを速く回す必要があります。
欠員対応力とは、「人員力×情報力×判断速度」です。
他の現場から人を動かす「再配置」という考え方
欠員対応では、必ずしも空いている人がいるとは限りません。
場合によっては、既存の配置そのものを組み替える必要があります。
例えば、A現場で欠員が出た。
A現場を経験しているドライバーをB現場から移す。
B現場には別のドライバーを配置する。
管理者が一時的に現場へ入る。
別エリアから応援を入れる。
こうした再配置によって、全体として配送を成立させる方法もあります。
もちろん、簡単なことではありません。
一つの現場だけを見るのではなく、会社全体の人員配置を見て判断する。
ここに、組織として配送を行う意味があります。
管理者が現場を知らなければ、欠員対応は難しい
欠員対応では、管理者の現場理解も重要です。
単純に、
「Aさんの代わりにBさんを入れてください。」
だけで済むとは限りません。
その案件にはどんな荷物があるのか。
どんなルートなのか。
どれくらいの経験が必要なのか。
Bさんが対応できる仕事なのか。
現場を理解していなければ、適切な判断ができません。
だから、現場経験のある人が管理者へ進むことには大きな意味があります。
軽貨物ドライバーから管理者へ進むキャリアについては、Cシリーズでも詳しくお話ししています。
軽貨物ドライバーのその先へ。ひとつで目指す「管理者」というキャリア
車両故障も「欠員」と同じように考える
配送が止まる理由は、人だけではありません。
車両が故障する。
事故が発生する。
タイヤに問題が起きる。
警告灯が点灯する。
配送車両が動かなければ、ドライバーがいても配送できません。
だから配送体制を考えるなら、
人員だけではなく車両の代替性
も重要です。
「人がいる」と「配送できる」は同じではありません。人・車両・情報が揃って初めて配送は成立します。
これも配送キャパシティを考えるうえで重要なポイントです。
繁忙期の増車も、欠員対応と基本構造は同じ
年末。
セール。
新店舗オープン。
キャンペーン。
EC物量の増加。
物流では、一時的に必要な配送台数が増えることがあります。
例えば通常10台で動いている現場から、
「来月だけ15台に増やしたい。」
と言われる。
これは欠員とは違うように見えますが、必要な能力は似ています。
人を確保する。
車両を確保する。
教育する。
配置する。
管理する。
欠員対応が強い会社は、増車対応にも強くなりやすい。
つまり欠員対応力は、単なるトラブル対応能力ではありません。
事業拡大へ対応する能力にもつながります。
欠員対応力は「BCP」の一部でもある
企業経営では、
BCP(Business Continuity Plan/事業継続計画)
という考え方があります。
災害や事故など、予期せぬ事態が発生したときでも、重要な事業を止めないための考え方です。
物流でも同じです。
一人休んだら止まる。
一台故障したら止まる。
一人の管理者がいなければ分からない。
特定の協力会社が動けなくなれば止まる。
こうした状態は、事業継続という観点では大きなリスクになります。
物流のBCPとは、大きな災害だけではなく「日常の小さなトラブルでも止まらない体制」をつくることから始まる。
私たちは、そう考えています。
配送会社を選ぶなら「欠員が出たらどうしますか?」と聞いてみる
企業が配送会社を選ぶとき、料金や実績はもちろん重要です。
しかし、継続的な企業配送や定期配送を依頼するのであれば、ぜひ確認してほしい質問があります。
「担当ドライバーが急に休んだ場合、どう対応しますか?」
この質問に対して、
代走体制。
管理者。
連絡方法。
協力会社。
車両。
引き継ぎ。
など、具体的な回答ができるか。
通常時の料金だけではなく、「異常時にどう動く会社なのか」を見る。
長期的な物流パートナーを選ぶうえでは、とても重要なポイントだと思います。
安い配送会社と「止まらない配送会社」は同じとは限らない
物流コストを抑えることは、企業にとって重要です。
しかし、配送単価だけを下げ続けた結果、代替人員がいない。管理者がいない。教育に投資できない。予備の配送能力がない。
そうなれば、一度の欠員が大きなトラブルにつながる可能性があります。
配送価格には、
今日荷物を運ぶコストだけではなく、
「明日も配送を継続できる体制」
を維持するためのコストも含まれています。
物流は「一番安く運ぶこと」だけではなく、「止めずに運び続けること」にも価値があります。
余力は「無駄」ではなく、対応力になる
経営では、稼働率を高めることが重要だと言われます。
人も車両も、できるだけ遊ばせない。
確かに効率だけを考えれば、その方が良いように見えます。
しかし、すべての人員と車両を100%の状態で固定してしまうと、何かが起きたときに動かせる余地がありません。
だからこそ、
協力会社とのネットワーク。
複数案件を経験できる人材。
管理者。
応援体制。
代替手段。
といった余力を生み出せる仕組みが必要になります。
物流における「余力」は、単なる余剰ではなく、トラブルへ対応するための経営資源です。
欠員対応を「誰かの根性」に頼らない
会社が小さいうちは、
「社長が代走する。」
「管理者が寝ずに対応する。」
「知り合いへ片っ端から電話する。」
それでも何とかなるかもしれません。
しかし、10台、30台、50台、100台と配送規模が大きくなれば、毎回それでは続きません。
会社が大きくなるほど、「誰かが頑張る」から「仕組みで対応する」へ変える必要があります。
誰に連絡するのか。
誰が判断するのか。
どの情報を見るのか。
どこから人を動かすのか。
どう取引先へ共有するのか。
この流れを組織として持つことが、配送会社の成長には必要です。
配送キャパシティとは「通常時の台数」だけではない
私たちは、配送会社の商品は「配送キャパシティ」だと考えています。
しかし、配送キャパシティとは、
「今、何台動いているか。」
だけではありません。
新しい案件が始まったときに何台用意できるか。
繁忙期に何台増やせるか。
新しい地域へ展開できるか。
そして、
欠員が発生したときに、配送能力を維持できるか。
ここまで含めて、本当の配送キャパシティだと考えています。
配送キャパシティについては、こちらの記事でも詳しくお話ししています。
配送会社の商品は「配送」ではない。ひとつが考える「配送キャパシティ」
「運送業を、助ける運送業。」であるために
私たちが支えたいのは、荷主企業だけではありません。
案件を獲得した物流会社。
新しい地域へ進出したい運送会社。
繁忙期に配送能力が必要な企業。
急な増車が必要になった物流拠点。
そうした物流を動かしている企業そのものを支えられる会社を目指しています。
そのためには、
「ドライバーを1人出せます。」
だけでは足りません。
「必要な配送体制をつくり、問題が起きても動かし続けます。」
と言える会社になる必要があります。
それが、ひとつホールディングスが目指す物流の実働オペレーションパートナーという立ち位置です。
前回の記事|D-4
前回は、
「配送会社は、なぜ『人を集めるだけ』では大きくなれないのか。」
というテーマで、配送会社の組織づくりについてお話ししました。
ドライバーを採用する。
しかし、人が増えただけでは会社の配送能力がそのまま増えるわけではありません。
管理者。
教育。
配置。
情報共有。
仕組み。
これらがあって初めて、人を組織として動かすことができます。
今回の「欠員対応力」も、その延長線上にあります。
人を集める力から、人を動かす力へ。そして、何かが起きても止めない力へ。
ぜひ前回の記事もあわせてご覧ください。
関連記事|定期配送を外部委託するという考え方
毎日・毎週など、継続的な配送では、通常時の配送品質だけではなく、担当ドライバーが休んだ場合の代替体制も重要になります。
自社でドライバーや車両を抱えるのか。
配送会社へ外部委託するのか。
どのような配送体制をつくるのか。
定期配送について詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
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私たちがどのような物流サービスを展開し、どのような考え方で配送組織をつくっているのか。
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