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会社を大きくするなら、「社長が一番忙しい会社」を卒業する
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会社を大きくするなら、「社長が一番忙しい会社」を卒業する
会社を立ち上げたばかりの頃。
営業するのは社長。
採用するのも社長。
現場を見るのも社長。
トラブル対応も社長。
請求を確認するのも社長。
取引先と話すのも社長。
会社のほとんどすべてを、社長自身が動かします。
創業期なら、それでいいと思っています。
むしろ最初は、
社長が誰よりも動かなければ、会社は前に進まない。
しかし、会社が成長しても同じ状態が続いているなら、少し話が変わります。
社員が増えた。
売上も増えた。
取引先も増えた。
営業所も増えた。
それなのに、
社長だけが、創業時より忙しくなっている。
果たして、それは本当に「会社が成長した」と言えるのでしょうか。
売上が増えるほど社長が忙しくなる会社
売上が2倍になる。
仕事も2倍になる。
社長の仕事も2倍になる。
さらに売上が2倍になれば、
社長の仕事も、また2倍になる。
この構造には、必ず限界が来ます。
なぜなら、
社長の時間だけは増やせないからです。
1日は24時間。
これは、
売上1億円の会社でも、
10億円の会社でも、
100億円の会社でも同じです。
社長自身の処理能力を会社の処理能力にしてしまうと、
会社の成長上限は、
社長一人のキャパシティ
で決まってしまいます。
「自分でやった方が早い」は、たしかに正しい
経営者をしていると、
何度も思います。
「自分でやった方が早い。」
実際、その通りのことも多いです。
自分なら5分でできる。
人に説明すれば30分かかる。
任せたら間違えるかもしれない。
最後に確認するくらいなら、自分でやった方が早い。
だから、
自分でやる。
そして次も自分でやる。
その次も自分でやる。
気がつけば、
社長にしかできない仕事がどんどん増えていきます。
短期的には効率的です。
しかし長期的に見ると、
その「自分でやった方が早い」が、
会社の成長を止める原因になることがあります。
今日5分で終わらせることより、半年後に自分がやらなくていい状態をつくる。
会社を大きくするなら、この視点が必要だと思っています。
社長が優秀すぎる会社ほど、危ないこともある
営業ができる。
現場も分かる。
数字も見られる。
トラブル対応もできる。
採用もできる。
何でも判断できる。
経営者としては、非常に強いことです。
しかし、
社長が何でもできるからこそ、
社員が、
「社長に聞けばいい。」
となってしまうことがあります。
問題が起きる。
↓
社長へ連絡する。
↓
社長が判断する。
↓
社員が動く。
これを繰り返していると、
組織は大きくなっても、
意思決定は一人のままです。
これは、
人数が増えただけで、
会社の処理能力そのものは大きくなっていない状態です。
「社長がいなくても回る会社」は、社長がいらない会社ではない
「社長がいなくても回る会社をつくる。」
というと、
「社長は何もしなくていいのか。」
と思われるかもしれません。
そうではありません。
むしろ逆です。
社長にしかできない仕事へ、社長の時間を使うためです。
例えば、
会社の方向性を決める。
新しい事業を考える。
大きな投資判断をする。
重要な取引先との関係をつくる。
金融機関と向き合う。
採用戦略を考える。
幹部を育てる。
組織設計をする。
3年後、5年後の会社を考える。
こうした仕事は、
現場の日報確認や細かな承認に追われていては、十分な時間を使えません。
社長が現場仕事から離れるのは、
仕事をしなくなるためではありません。
「今日の仕事」から離れて、「未来の仕事」をするためです。
社長の仕事を3つに分ける
私たちは、社長が抱えている仕事を見直すとき、
大きく3つに分けて考えることが重要だと思っています。
1.社長にしかできない仕事
会社の方向性。
大きな投資。
重要な人事。
経営判断。
新規事業。
重要なパートナーとの関係構築。
これは、簡単に手放すべき仕事ではありません。
2.今は社長がしているが、将来は任せる仕事
営業管理。
採用面談。
案件管理。
配車確認。
請求確認。
現場管理。
社内調整。
ここは、
仕組みをつくり、人を育てることで任せられる可能性があります。
3.そもそも社長がやる必要のない仕事
情報転記。
単純確認。
毎回同じ承認。
定型的な連絡。
誰でも判断できる内容。
こうした仕事は、
仕組み化。
マニュアル化。
システム化。
自動化。
によって減らせます。
重要なのは、
「忙しい仕事」と「社長がやるべき仕事」を混同しないこと。
です。
「任せる」だけでは会社は回らない
では、
仕事を全部社員へ渡せばいいのか。
もちろん、そんな単純な話ではありません。
何も整えず、
「今日からよろしく。」
では、
それは権限移譲ではなく、丸投げです。
任せるためには、
役割。
権限。
ルール。
判断基準。
目的。
報告ライン。
評価基準。
これらを整える必要があります。
だからBシリーズで、
「仕組み」
「権限移譲」
「目的共有」
「人材育成」
について順番にお話ししてきました。
すべて、
社長一人で回す会社から、組織で回す会社へ変わるために必要なもの。
だからです。
仕組みとは、「社長への質問を減らすもの」
私たちは、
仕組みを難しく考える必要はないと思っています。
例えば、
社員から毎日10個の質問が来るとします。
そのうち5個が、
毎回ほぼ同じ質問だったとします。
それなら、
ルールを決める。
判断基準を書く。
マニュアルにする。
システム化する。
これだけで、
次からその5個は社長に聞かなくても判断できるようになるかもしれません。
10個が5個になる。
5個が3個になる。
3個が1個になる。
こうして、
社長に集まっていた判断を少しずつ組織へ移していく。
仕組みとは、「社長がいなくても同じ判断ができる範囲」を増やすこと。
だと考えています。
社長がボトルネックになってはいけない
会社が小さい頃、
社長は会社を前へ進める最大のエンジンです。
しかし、
会社が大きくなったとき、
すべての判断が社長を通る状態では、
その社長自身がボトルネックになります。
「社長の承認待ち。」
「社長から返事がない。」
「社長に確認してから。」
これが増えれば、
組織全体のスピードが落ちます。
100人が動ける会社なのに、
一人の判断待ちで止まる。
それでは、
100人いる意味がありません。
社長が会社を動かすのではなく、会社が動く仕組みを社長がつくる。
経営者の役割は、会社の成長とともに変わっていく必要があります。
「全部知っている社長」でなくてもいい
会社が大きくなれば、
社長がすべての現場を把握することは難しくなります。
誰が今日どこを走っているか。
一つひとつの配送件数。
すべての面接内容。
すべての請求内容。
すべての取引先との会話。
知らないことが増えていきます。
最初は不安です。
しかし、
社長が全部知っていることと、会社が管理できていることは別です。
管理者が把握している。
数字で見える。
問題があれば報告される。
重要事項だけ上がってくる。
それなら、
社長自身が細部まで把握していなくても、組織として管理できています。
むしろ、
社長が全部知っていなければ回らない会社の方が危険です。
社長が休んだら止まる会社は、まだ「会社」になりきれていない
少し極端な言い方かもしれません。
しかし、
社長が1日休む。
会社が止まる。
社長が3日いない。
判断できない。
社長が1週間いない。
現場が混乱する。
もしそうなら、
まだ会社の中に、
「社長個人の仕事」
が多すぎるのかもしれません。
会社とは、
一人の能力だけで動くものではなく、
人。
仕組み。
役割。
ルール。
文化。
情報。
それらが組み合わさって動くものです。
社長がいなくても今日が回り、社長がいることで明日がつくられる。
私たちは、そんな会社が強いと思っています。
経営者は「プレイヤー」から「設計者」へ
創業期の社長は、
最強のプレイヤーでいい。
営業する。
現場へ行く。
問題を解決する。
誰よりも働く。
しかし、
会社が成長すれば、
経営者の役割も変わります。
自分が点を取る。
から、
点を取れるチームをつくる。
自分が仕事をする。
から、
仕事が回る仕組みをつくる。
自分が判断する。
から、
正しく判断できる人を育てる。
そして、
今日を回す。
から、
未来をつくる。
へ。
会社の成長とは、社長の仕事が増えることではなく、社長の仕事が変わること。
だと私たちは考えています。
「忙しい社長」を目標にしない
朝から晩まで電話。
大量のLINE。
すべての現場から相談。
休みなく働く。
一見すると、
ものすごく仕事をしている経営者に見えます。
創業期には、それが必要な時期もあります。
しかし、
それを10年続けることを目標にはしたくありません。
社長が忙しいこと自体に、会社としての価値はありません。
重要なのは、
会社が成長しているか。
人が育っているか。
仕組みが残っているか。
次の成長へ時間を使えているか。
です。
「社長が頑張っている会社」から、「組織が強い会社」へ。
私たちは、そこを目指します。
前回の記事|B-7
前回は、
「優秀な人を採るだけでは、強い会社にならない。」
というテーマで、
採用だけに頼るのではなく、人が育つ環境や仕組みをつくることについてお話ししました。
今回の「社長依存から抜ける」というテーマにも、そのままつながっています。
人が育つから、任せられる。
任せられるから、社長の役割を変えられる。
ぜひあわせてご覧ください。
優秀な人を採るだけでは、強い会社にならない。人が育つ組織のつくり方
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採用についてはこちらの記事もご覧ください。
次回予告|B-9
「社長がやらないことを決める。経営資源を集中させるということ。」
会社が成長すると、
できることも増えていきます。
新しい案件。
新しい事業。
新しい地域。
新しい取引。
しかし、
できることを全部やることが、経営ではありません。
人も、お金も、時間も有限です。
だからこそ、
「何をやるか」以上に、「何をやらないか」を決める。
次回は、
限られた経営資源をどこへ集中させるのか。
ひとつホールディングスが考える「選択と集中」についてお話しします。
「事業をつなぎ、人をつなぎ、未来をつなぐ。」
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