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桃太郎は、なぜ一人で鬼ヶ島へ行かなかったのか。会社を大きくする「仲間を集める力」
コラム
桃太郎は、なぜ一人で鬼ヶ島へ行かなかったのか。会社を大きくする「仲間を集める力」
桃から生まれた桃太郎は、鬼ヶ島へ鬼退治に向かいます。
しかし、桃太郎は一人で鬼ヶ島へ行きませんでした。
道中で、
犬。
猿。
キジ。
という仲間を増やしていきます。
もし桃太郎がものすごく強かったとして、一人でも鬼を倒せたとしたら。
仲間なんて必要なかったのでしょうか。
これは昔話の考察ではありません。
会社経営でも、創業したばかりの頃は経営者一人でできることがたくさんあります。自分で営業し、自分で採用し、自分で現場へ行き、自分で取引先へ連絡し、自分で問題を解決する。
むしろ、最初はその方が速いこともあります。
しかし、会社を10人、30人、50人、100人と大きくしていこうとすると、一人でできることには必ず限界がきます。
会社を大きくするということは、社長一人が強くなることではなく、「一緒に戦える仲間」を増やしていくことでもあります。
今回は「桃太郎」を入り口に、株式会社ひとつホールディングスが考える採用・人材育成・役割分担・チーム経営・管理職育成・組織づくりについてお話しします。
桃太郎が一人で行かなかった理由を、経営者目線で考える
桃太郎の目的は明確です。
鬼ヶ島へ行き、鬼を退治する。
目的だけを見るなら、一人で達成できるのであれば一人で行ってもいいはずです。
しかし物語では、道中で仲間を増やします。
会社経営に置き換えて考えると、これは非常に面白いところです。
経営者にも目的があります。
売上を増やしたい。
新しい地域へ進出したい。
新規事業を始めたい。
顧客を増やしたい。
会社を大きくしたい。
しかし、そのすべてを経営者一人で実行することはできません。
営業する人。
現場を動かす人。
採用する人。
人を育てる人。
数字を見る人。
取引先と調整する人。
それぞれの役割を担う人が必要になります。
大きな目的ほど、一人の能力ではなく「チームの能力」で達成するものになります。
これが、会社を組織にするということだと思います。
「社長が一番優秀な会社」は強いのか
創業期では、社長が一番営業できる。
社長が一番現場を知っている。
社長が一番判断できる。
社長が一番仕事が速い。
これは珍しいことではありません。
そもそも自分で事業を立ち上げたわけですから、最初は経営者が最も事業を理解しているのは自然なことです。
問題は、会社が大きくなってもずっと同じ状態であることです。
営業は社長が一番。
採用も社長。
重要な取引先対応も社長。
トラブル対応も社長。
新規事業も社長。
社員は社長から指示された仕事だけを行う。
これでは、会社の処理能力が社長一人の能力を超えられません。
社長が一番優秀であることが問題なのではなく、「社長しかできないこと」が増え続けることが問題です。
強い会社をつくるなら、社長以外にも「この仕事ならこの人の方が強い」と言える分野を増やしていく必要があります。
犬・猿・キジが全員「犬」だったらどうなる?
桃太郎の仲間は、全員同じではありません。
犬。
猿。
キジ。
それぞれ違います。
ここも、会社の組織づくりと似ています。
例えば会社を採用するとき、
「自分と同じ考え方の人がいい。」
「自分と同じタイプの人がいい。」
「自分と同じように働ける人がいい。」
と考えてしまうことがあります。
もちろん、会社の価値観や最低限のルールを共有することは重要です。
しかし、全員が経営者と同じタイプである必要はありません。
営業が得意な人。
数字に強い人。
現場管理が得意な人。
人とのコミュニケーションが得意な人。
細かい管理が得意な人。
新しいことを考えるのが得意な人。
強い組織とは、「同じ人を集めた組織」ではなく、「違う強みを同じ目的へ向けられる組織」です。
桃太郎が犬を3匹連れていく物語ではなかったことを考えると、組織づくりにも少し似たものを感じます。
採用は「人を増やすこと」ではない
会社が成長すると、
「人が足りない。」
という問題が出てきます。
そこで求人を出す。
応募が来る。
採用する。
人数が増える。
一見すると、採用は成功です。
しかし、本当に重要なのはここからです。
その人に何を任せるのか。
どんな仕事をしてもらうのか。
どこを目指してもらうのか。
どの強みを活かすのか。
誰が教育するのか。
将来どんな役割を担ってもらうのか。
ここまで考えなければ、単純に人数が増えただけになってしまいます。
採用とは「人を増やすこと」ではなく、「会社の未来を一緒につくる人を増やすこと」です。
人数ではなく、役割を持った人を増やしていく。
これが組織拡大には必要です。
きびだんごだけで仲間は集まり続けるのか
桃太郎は、きびだんごを渡して仲間を増やしていきます。
会社で考えるなら、
給与。
報酬。
福利厚生。
インセンティブ。
待遇。
こうしたものに近いかもしれません。
もちろん、お金は重要です。
生活がありますし、仕事の対価として適切な報酬を受け取ることは当然です。
しかし、会社が大きくなるほど、報酬だけで人をつなぎ続けることには限界があります。
何のためにこの仕事をしているのか。
会社はどこへ向かっているのか。
自分にはどんな役割があるのか。
頑張った先に何があるのか。
どんな人たちと働くのか。
「何をもらえるか」だけではなく、「どこへ向かうのか」を共有できる会社にする。
桃太郎一行にも「鬼ヶ島へ行く」という共通の目的がありました。
会社にも、給与とは別に全員が向かえる目的が必要だと考えています。
人を採用する前に「目的」をつくる
求人を出すとき、
営業募集。
ドライバー募集。
事務募集。
管理者募集。
と職種を書くことはできます。
しかし、その人が入ったことで会社がどう変わるのかまで考えているでしょうか。
例えば、
「営業を一人採用したい。」
ではなく、
「新しい取引先を増やし、来年新しい営業所をつくるために営業を一人採用する。」
では意味が変わります。
「管理者が欲しい。」
ではなく、
「今後50人増えても社長一人に管理が集中しないように、10人を任せられる管理者を育てる。」
と考えれば、採用後に任せる仕事も変わります。
採用人数から考えるのではなく、「会社が実現したい未来」から必要な人材を逆算する。
採用は経営戦略の一部です。
「優秀な人を採ればいい」だけでは組織はできない
もちろん、優秀な人を採用できるなら、それに越したことはありません。
しかし会社経営では、
優秀な人を採用すること
と、
優秀な人が活躍できること
は別問題です。
どれだけ能力が高くても、役割が分からない。
何を目指す会社なのか分からない。
何を判断していいのか分からない。
上司によって言うことが違う。
成果を出しても評価されない。
これでは能力を発揮しにくくなります。
反対に、入社時点では経験が少なくても、目的を理解し、仕事を経験し、適切なフィードバックを受けることで大きく成長する人もいます。
採用力と育成力。この二つが揃って初めて、人は会社の力になります。
この考え方については、Bシリーズでも詳しくお話ししています。
優秀な人を採るだけでは、強い会社にならない。人が育つ組織のつくり方
仲間が増えると「コミュニケーションコスト」も増える
一人なら、自分で考えて自分で動けば終わります。
二人になれば、情報共有が必要になります。
10人になれば、誰が何を担当しているのかを整理する必要があります。
50人、100人と増えれば、社長が全員へ直接指示することは難しくなります。
つまり、
人が増えれば、そのまま会社が強くなるわけではありません。
人数が増えるほど、
役割分担。
報告ルール。
責任者。
管理者。
情報共有。
評価制度。
組織構造。
が必要になります。
人数を増やすだけなら「集団」。役割と目的を持って動けるようになって初めて「組織」になります。
採用と組織づくりは、セットで考える必要があります。
社長が全員へ指示する会社には限界がある
社員が10人なら、社長が全員と直接話せるかもしれません。
しかし100人になっても同じことを続けるのは難しくなります。
そこで必要になるのが、
リーダー。
主任。
管理者。
営業所長。
事業責任者。
といった中間の役割です。
社長が100人を見るのではなく、社長が数人の責任者を見る。その責任者がさらにチームを見る。
組織を大きくするとは、「社長が見られる人数を増やすこと」ではなく、「任せられる階層をつくること」です。
これは、前回E-1でお話しした「任せる力」にもつながります。
鶴の恩返しで、もしおじいさんが扉を開けなかったら。会社経営に必要な「任せる力」
仲間を集めるなら「誰でもいい」では意味がない
人手不足になると、
「とにかく人が欲しい。」
と思うことがあります。
しかし、採用人数だけを追いかけると、会社とのミスマッチが増える可能性があります。
どんな仕事なのか。
何を求めるのか。
会社が何を大切にしているのか。
どんな人に向いているのか。
どんなキャリアがあるのか。
こうした情報を採用前に伝えることも重要です。
採用は、
入ってもらうこと
がゴールではありません。
入社・契約後に活躍し、継続し、会社と本人の双方にとって良い関係になることが重要です。
採用の成功は「何人採ったか」だけではなく、「採った人がその後どうなったか」で見る。
だからこそ、採用数と同じくらい定着や育成も考える必要があります。
強みが違うから、役割分担が生まれる
会社の中には、いろいろな人がいます。
人と話すのが得意。
数字を見るのが得意。
細かい作業が得意。
現場対応が得意。
新人教育が得意。
トラブル対応に強い。
新しいアイデアを出すのが得意。
全員に同じ能力を求める必要はありません。
重要なのは、
その人の強みを、会社のどこで活かすのか。
です。
苦手を全部平均点にするだけではなく、得意を役割に変える。
これができれば、一人ではつくれないチームができます。
桃太郎が全部やったら、仲間を連れていく意味がない
桃太郎が犬・猿・キジを連れて行った。
でも、
「俺が全部やるから見ていて。」
と言ったらどうでしょうか。
それなら、仲間を連れていった意味がありません。
会社でも同じことが起きます。
優秀な社員を採用する。
管理者候補を採用する。
役職を与える。
ところが、重要な判断は全部社長がする。
取引先対応も社長。
人員配置も社長。
採用判断も社長。
問題解決も社長。
これでは、仲間は増えても会社の能力は社長一人分のままです。
仲間を集めるなら、仕事だけではなく「役割」と「責任」も渡す。
採用と権限委譲は、切り離して考えられません。
物流会社では「仲間を集める力」がそのまま事業力になる
ひとつホールディングスが事業を展開する物流業界では、人材の確保は事業そのものと密接につながっています。
配送案件があっても、ドライバーがいなければ配送できません。
ドライバーがいても、管理者がいなければ大きな現場を安定して動かすことが難しくなります。
さらに、新しい地域へ進出するなら、その地域で人材や協力会社とのネットワークをつくらなければなりません。
物流会社にとって採用力・協力会社ネットワーク・管理者育成は、そのまま「配送できる量」を増やす力です。
だから私たちは、採用を単なる人事部門の仕事ではなく、会社の事業戦略として考えています。
100人いることと、100人を動かせることは違う
会社紹介で、
「ドライバー○○名。」
「従業員○○名。」
という数字を見ることがあります。
もちろん、人数は会社の規模を表す一つの指標です。
しかし、物流会社にとって本当に重要なのは、その人数を組織として動かせるかです。
誰がどの案件を担当しているのか。
誰が教育するのか。
誰が欠員対応を判断するのか。
誰が取引先と調整するのか。
誰が問題を把握するのか。
人数が増えるほど、管理能力も必要になります。
「人を集める力」と「集めた人を動かす力」。両方が揃って初めて、会社の配送キャパシティになります。
配送会社の組織づくりについては、Dシリーズでも詳しくお話ししています。
仲間が増えるほど「管理者」が重要になる
10人のドライバーがいる。
30人いる。
50人いる。
100人いる。
人数が増えるほど、社長一人ですべての現場を見ることはできなくなります。
そこで必要になるのが、現場を任せられる管理者です。
人員配置。
新人教育。
欠員対応。
配送品質。
取引先対応。
トラブル対応。
現場改善。
こうした仕事を任せられる人が増えることで、会社は次の規模へ進むことができます。
会社の成長速度は、「何人採用できるか」だけではなく、「何人の管理者を育てられるか」でも変わります。
軽貨物ドライバーから管理者へ進むキャリアについてはこちらの記事でもご紹介しています。
軽貨物ドライバーのその先へ。ひとつで目指す「管理者」というキャリア
仲間は「会社の弱い部分」を補ってくれる
経営者にも得意・不得意があります。
営業は得意だけれど、細かい管理が苦手。
数字は得意だけれど、人材育成が苦手。
現場は強いけれど、採用が苦手。
すべてを完璧にできる必要はありません。
むしろ、自分が苦手なことを認識し、そこを得意な人へ任せることも経営です。
自分に足りない能力を、自分一人で全部身につけようとするのではなく、「その能力を持つ人と組む」という選択肢を持つ。
一人ではできないことをできるようにする。
それが組織をつくる大きな意味の一つです。
ただし「仲が良いチーム」が強いとは限らない
チームづくりというと、
みんな仲良く。
雰囲気が良い。
というイメージを持つかもしれません。
もちろん、人間関係が良いことは大切です。
しかし会社は、仲良しグループではありません。
目的があります。
役割があります。
責任があります。
成果があります。
言いにくいことを伝えなければならない場面もあります。
改善を求めなければならない場面もあります。
強いチームとは「何でも仲良くするチーム」ではなく、「同じ目的のために必要なことを言い合えるチーム」です。
会社として何を目指すのかを共有したうえで、それぞれが役割を果たすことが重要です。
採用した人が次の人を育てる会社へ
社長が一人採用する。
社長がその人を教育する。
次の人も社長が教育する。
100人になっても社長が教育する。
これでは会社は大きくなりません。
最初に育った人が、次の人を育てる。
その人がリーダーになる。
次のリーダーを育てる。
さらに管理者になる。
人が増える会社ではなく、「人が人を育てる会社」になる。
この状態ができれば、組織は経営者一人の能力を超えて成長できるようになります。
私たちは、採用そのものより、その先にあるこの状態をつくることが重要だと考えています。
社長一人が100点より、10人が80点を出せる会社
経営者が自分でやれば100点。
社員へ任せたら最初は60点。
だから自分でやる。
この判断を続けると、いつまでも社長が100点を出し続けなければなりません。
一方で、最初は60点だった人が経験を積み、70点、80点と成長する。
そんな人が10人いれば、会社全体としてできる仕事量は大きく変わります。
さらに、その中から100点を超える分野を持つ人が出てくるかもしれません。
会社経営は、「自分が一番うまくやるゲーム」ではなく、「自分がいなくても成果が出るチームをつくるゲーム」でもあります。
一人の能力を最大化するだけではなく、組織全体の能力を最大化する。
会社が大きくなるほど、その視点が重要になります。
桃太郎に必要だったのは「仲間の数」ではなく「チーム」
もし桃太郎が100人を連れて鬼ヶ島へ行ったとしても、全員が好き勝手に動いていたらどうでしょうか。
誰が何をするのか分からない。
目的を理解していない。
指示が伝わらない。
困っている仲間を助けない。
これでは人数が多いだけです。
会社も同じです。
採用する。
人数を増やす。
それだけでは強い会社にはなりません。
目的を共有する。
役割を決める。
任せる。
育てる。
必要なときには助け合う。
「人がいる会社」から、「人がつながって動ける会社」へ。
そこまでできて初めて、採用した人材が組織の力になります。
ひとつホールディングスが「人をつなぐ」を掲げる理由
私たちは、
「事業をつなぎ、人をつなぎ、未来をつなぐ。」
という言葉を掲げています。
物流事業でも、一人だけで仕事が成立するわけではありません。
取引先。
ドライバー。
社員。
管理者。
協力会社。
お客様。
さまざまな人がつながることで、一つの配送が成立します。
そして会社そのものも同じです。
一人の経営者だけではなく、それぞれ違う強みを持つ人が集まり、役割を持ち、一つの方向へ進む。
ひとつの会社をつくるために、違う強みを持った人を「ひとつ」につなぐ。
それが、私たちが目指す組織づくりです。
前回の記事|E-1
前回のEシリーズでは、
「鶴の恩返しで、もしおじいさんが扉を開けなかったら。」
というテーマから、会社経営に必要な「任せる力」について考えました。
人を採用する。
仲間を増やす。
しかし、仕事を任せなければ組織の能力は増えません。
今回のE-2は、その続きでもあります。
仲間を集める。そして、集めた仲間へ任せる。
この二つが組み合わさることで、社長一人に依存しない会社へ近づいていきます。
鶴の恩返しで、もしおじいさんが扉を開けなかったら。会社経営に必要な「任せる力」
関連記事|社長一人に依存しない会社をつくる
会社を大きくするなら、経営者自身の役割も変えていかなければなりません。
現場。
営業。
採用。
トラブル対応。
すべてを社長が抱える状態から、組織へ仕事を渡していく。
その考え方についてはこちらの記事でも詳しくお話ししています。
関連記事|人を採るだけではなく、人が育つ会社へ
採用した人材が成長する。
その人が次の人を育てる。
そして、会社全体の能力が上がっていく。
ひとつホールディングスが考える人材育成・組織づくりについてはこちらもご覧ください。
優秀な人を採るだけでは、強い会社にならない。人が育つ組織のつくり方
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